魔法少女まどか☆マギカ 第12話考察~交わした約束忘れないよ~

タイトル「最終話 わたしの、最高の友達」

まどかの願い、ほむらの想い、二人の絆の物語を描ききった1話であった……。

忘れないで 
いつも、どこかで 
誰かがあなたのために戦っている事を
あなたが彼女を忘れない限り 
あなたは一人じゃない


                          <まどかの願い>
わたし……全ての魔女を生まれる前に消し去りたい! 
全ての宇宙! 過去未来の全ての魔女を!! この手で


まどかの願いは魔女を生み出すルールを変えること。キュゥべえから、これまでの魔法少女達の運命「円環の理」を聞かされたまどかは、願いの効力“過去”にまで踏み込んだのだ。魔法少女となった者達の人生を悲しみで終わらせないとする想いは、感情を持つ人間だからこそ考えられる願いである。そして、魔法少女システムを逆手にとったのが、“未来”の時間干渉まで願いの効果を生じさせること。まどかはいずれ自分が魔女となる時、それを止める者の存在が必要であることを知っていた。希望から生じる絶望を、まどかは“一人”で背負う決意をした。魔女を消し去る願いの実行者を“自分自身”とすることで、自身の魔女化を阻止する方法を選んだのである。

余談であるが、まどかの願いは『魔法騎士レイアース』でセフィーロの柱システムを亡くした主人公に通じるものがある。犠牲によってもたらされる世界は初期の『CLAMP』作品を彷彿する(『聖伝』『X』『wish』)。

ほむらの願いは「鹿目さんとの出会いをやり直したい 彼女に守られる私じゃなくて、彼女を守る私になりたい」であった。
やり直した出会いによって、まどかと最高の友達同士になったほむら。ほむらがまどかという個体の記憶が消えずにいたことは、信じる想いによって叶えられたものであったと思いたい。

                           <さやかの救済>
さやかが新たに受けた心の痛みは失恋の痛み。仁美に対する嫉妬や妬みによりも恭介の弾くバイオリンを聴きたいとする想いのほうが強かった。だからこそ、仁美と恭介が付き合う未来を否定せずに絶望することもなかった。

                          <受け継いだもの……>
まどかから受け渡されたリボンによる“なのは演出”。「きっと大丈夫」という“さくら演出”による最強の呪文。
まどかの記憶と魔法武器をほむらは受け継いだ。
ほむらが戦う理由……まどかが守ろうとした世界を今度は自分が守ること=まどかを守る私になりたい
だからこそ、システム改変による新インキュベーターであるキュゥべえをパートナーとして今日もほむらは戦うのだ。


                          <そしてふたたび……>
10話以降、ED曲がながれなかった。物語の最後を締めくくるのはOPが相応しかったからだ。

交わした約束忘れないよ 目を閉じ 確かめる
まどかを忘れないよ、目を閉じてもまどかを感じていられる

押し寄せた闇 振り払って進むよ
新たに誕生する魔獣の闇 わたしは戦い続けていく

溢れ出した不安の影を何度でも裂いてこの世界 歩んでこう
人の世の呪いは消えることはない。悲しみと憎しみばかりを繰り返す世界だけれども、私は絶望せずに歩んでいく

とめどなく刻まれた時は今 始まり告げ変わらない想いを乗せ閉ざされた扉 開けよう
幾多の因果が列なるあまたの時間を生きてきたわたしだけど、このまどかが創った世界がわたしの始まり。わたしの想いは変わらない。まだ見ぬ未来の世界の扉を開けて進む

目覚め心は走り出した未来を描くため 
まどかへの想いを胸にわたしはこの世界の未来を守っていく

難しい道で立ち止まっても 空は綺麗な青さでいつも待っててくれる
どんな困難が待ち受けていても まどかはいつでもわたしを見ていてくれている

だから怖くないもう何があっても挫けない
まどかがいる限りわたしはあきらめたりしない

ほむらが魔法少女としての生をまっとうする時、まどかは迎えにくるであろう。そして永遠にまどかのもとでいられるかもしれない。けれど、ほむらはまどかと戦うことを選んだ。まどかに最も近いところにいる存在がほむらなのである。ほむらの黒い翼であるが、まどかの声を感じとれたことからまどかのいるところと繋がることができたときに生じたものなのであろう。ほむらが戦っている世界が、未来の地球の姿かどうかは分からない。人がいる限り魔獣が生まれる。人類が滅亡すれば魔獣は生まれないがこの世界を救うことにはならない。インキュベータのエネルギー補充計画が完了し、宇宙が安定するまで魔獣の存在が必要になるかもしれない。ほむらの戦いはまだまだ続くのだ。
エピローグで今シリーズが物語のプロローグにすぎなかったことを匂わせている。

<総括>
新たな魔法少女作品として位置づけられる。ほむらの戦いであったとしても過言ではないシリーズであり、全員が力を合わせて目的を果たしていくスタイルではなかった。全員の心が一つになることもなく、バラバラであり、すれ違いによる衝突や絶望も繰り返される。夢と希望を叶える魔法少女の概念がなかったところに斬新さがあり、その中で未来に抗おうとする一人の少女の存在をサブヒロインの位置に置いていた。まどかが主人公として成長していく過程はなく、作品タイトルにある名前が主人公になりえないものとする先入観も演出の一部であった。
まどかが“夢と希望を叶える魔法少女の代名詞”となったことで、ようやく「魔法少女まどか」が誕生したのである。
素晴しい作品をありがとうございました!!





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