Fate/Zero 第19話感想「正義の在処」~涙の数だけ…~
作 画:9(ナタリアの微笑みと切嗣の涙に)
ストーリー:6(ナタリアの生き方と切嗣の生き方が描かれる)
アクション:5(銃の扱いをマスターしていく切嗣)
萌 え:4(母親の顔となったナタリア)
切嗣の正義とは? 前話に続く過去編で、切嗣がどのように育ち、どう生きていくのか、ナタリアと過ごした日々と共に描きながら、さらに後となる聖杯戦争で戦う切嗣に繋げている。
切嗣が求めた世界とは、争いのない世界であることがほのめかされており、“聖杯”に託す願いであることが予想できる。
対ケイネスで使用した「起源弾」。ケイネス攻略の戦術など、切嗣という人物を理解する為のエピソードであった。切嗣が自身お過去をアイリや舞弥に語ったているかどうか不明ではあるが、彼の性格からして話してはいまいものと思われる。まして、セイバーが切嗣の過去を知ることはないと思われるだけに、相容れないマスターとサーヴァントという関係であり続ける切嗣の心境がようやく視聴者に知らしめたようにも思える。
シャーレイ、ナタリアとヒロインの死が切嗣の生き方に影響しているわけだが、実の父を殺し、育ての母を殺害するダークヒーローとなったのも、彼の正義によるものであることが理解できる。
シャーレイの最後は描かれていないのと、父、矩賢が何も伝えることなく死んだのに対し、ナタリアは切嗣の行為で死ぬことを悟った瞬間、メッセージを視聴者に残して散っていったことが印象的である。
シャーレイや矩賢よりも切嗣という人間を理解しているから、ナタリアは笑うことができたのではないだろうか。
切嗣が流した涙は、胸の奥にある想いを正直にはきだした感情の表れであるのだが、手段の際には心を切り離している。しかし、あとで後悔する心があることが切嗣の弱さでもあるように感じた。その心の弱さを知っているのがアイリなのであろう。彼女もまた散り行くヒロインのようなのが儚いのだが…。
切嗣が今もなお、正義の為に殺し続けていることについて、ふと「喰霊-零-」最終回での黄泉と神楽のエピソードを思い出しました。
「今まで人が斬れなかった神楽だが、一番大切な黄泉を斬った神楽には、もう斬れない者はない…」
ナタリアを目的の為とはいえ、命を奪った切嗣には、もう殺せない人はいない…人々を救うヒーロー切嗣の誕生でした。

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